不動産売却みんなのQ&A

2020.10.28 税金のこと

税金(譲渡税)の 計算について(共有名義のマンション売却)

お問合わせ内容【No.130】



共有名義のマンションを売却した場合の税金(譲渡税)の
計算を知りたいのですが宜しくお願いいたします。
ちなみに、土地の名義が両親(父55%、母45%)で
建物が兄が100%です。売却金額は、4750万円です。
土地の購入時の金額は、38万円で建物の金額は、
7950万円(税抜き)です。
築16年でこの場合、3人の税金の計算方法を知りたいのですが、
解りやすく教えていただければ幸いです。宜しくお願いいたします。

以上

回答【No.130】

 

ご質問ありがとうございます

今回のご質問は、土地・建物を売却(売った)したときにかかる
譲渡所得税の計算方法についてという事ですね。

ご相談者様のお問い合わせ内容を確認させていただきましたが、
マンションは居住用なのか、賃貸されているのか、
又売却金額で土地・建物の内訳や建物の構造についての
記載がありませんでしたので、当方で仮に条件を設定させていただきました。
それに基づきご回答させていただきます。
認識の違いがありましたらご了承くださいませ。
※尚、実際にかかる税額についての回答は差し控えさせていただきます。

条件の設定
16年以前にご両親が共有で土地を購入され、
その土地に息子さんが(16年前)居住用マンションを建築し、
その土地とマンションを同時に売却する。
売却金額は、土地は購入時の38万で売却し、
建物は4,712万円の合計4,750万円、
建物の構造は鉄筋コンクリート造。
と設定させていただきました。

まず、譲渡所得税は譲渡所得に一定の税率を乗じて求めますが、
譲渡所得とは何かという事になります。

譲渡所得の求め方は、土地や建物を売った金額から
①取得費と②譲渡費用を差し引いて計算します。

①取得費とは、買った(建築した)金額とその際にかかった費用
(所有権移転費用、収入印紙、仲介手数料、不動産取得税等、
建物であれば保存登記費用や不動産取得税等)があります。
但し、建物の取得費については、建築費(買った金額)から
減価償却費用相当額を差し引きます。
※建物は使用し期間が経過する事によって価値が減少していきます。
その減価した分を減価償却費として建築費(買った金額)から差し引き、
残った額が取得費となります。

②譲渡費用とは、売ったときにかかる費用(測量、収入印紙、仲介手数料等)があります。

式にすると 譲渡所得=売却金額-(取得費+譲渡費用) となります。

今回のご相談で考えますと
土地の譲渡所得(ご両親)=売却金額38万円-(買った金額38万円+売り買いにかかる経費)
となり譲渡所得はマイナスとなり、譲渡所得税はかからない事になります。
(※あくまでも土地の金額が購入時と同じ38万円の場合で計算しています。)

建物の譲渡所得(お兄様)
売却金額4,712万円-{取得費(建築費7,950万円-減価償却費用)等 + 譲渡費用}
で計算しますが、鉄筋コンクリート造の減価償却費用は次の計算で算出します。
減価償却費=7,950万円×0.9×0.015×16年
よって取得費と譲渡費用を合わせた額が売却金額の4,712万円を上回り、
譲渡所得はマイナスとなる事から、譲渡所得税はかからないと考えられます。
(※事業用の場合は計算方法が異なります。
その場合、所得税の申告を行っていると思いますので、
不動産所得の収支内訳書に未償却残高が載っています。
その金額を参考にしてください。)

当方の設定した条件に基づきご回答させていただきますと、
ご両親、お兄様共に譲渡所得税はかからないと考えられます。
しかし、土地の売却額、建物の構造や利用方法等、
設定した条件と実際が異なると譲渡所得税がかかる場合もありますので、
是非、最寄りの税理士又はお近くのイエステーションでご相談される事を
おすすめします。

 

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