代襲相続となった場合でも、借地権の承諾料は発生しますか?

叔父が亡くなりました。

相続人は兄・私の2人です。叔父の妹である母は、約1年前に他界しています。


他に身寄りが無い病弱な叔父の看護に尽くしていたこともあり、叔父は金融資産の一部を母に、借地権付きの自宅不動産を私に、残りの財産を兄に遺す内容の遺言書を遺していたことがわかりました。この遺言書は母が亡くなる前に作成されていたので、母も相続人に指定されています。


実は、叔父が私に遺してくれた自宅の借地権について地主に承諾料を払う必要があるのか気になっています。


以前このサイトで「借地権の特定遺贈は地主へ承諾料を支払う義務が発生する」とありました。確かに叔父の遺言書では自宅について私への特定遺贈としか読めない記載になっています。しかし、叔父の唯一の相続人である母はすでに亡くなっていることを考えると、叔父の遺産はすべて私と兄が母に代わって代襲相続(編集部注:だいしゅうそうぞく。本来相続人になるはずだった人が亡くなった場合、その人の子どもが相続人になること)することになります。


よって、相続人である私が叔父の自宅を受け取ることも特定遺贈ではなく相続の扱いになることから、承諾料などの支払いは不要となるのではないのでしょうか。

公開日時 : 2019年01月11日
カテゴリー : 相続に関係すること

叔父様が遺言書作成時に「お母様が亡くなった場合、ご相談者様への自宅の遺贈はご相談者様への相続と読み替える」などというような文言を記載していない限り、お母様の相続分を除いた遺言書の内容は、そのまま有効となります。したがって、ご相談者様によるご自宅の取得を遺贈ではなく相続とすることは難しいと考えられます。


ただし、借地権の遺贈に関する承諾料の請求は地主の権利に過ぎず義務ではないため、もし地主から承諾料の要請があったとしても話し合いの結果地主が納得すれば、承諾料は不要になります。


現時点で地主に対するご相談者様の交渉材料としては、生活の面倒を見ていたご相談者様は叔父様にとって相続人と同然の存在であったこと、あるいはご相談者様のお考えのように代襲相続人であるから承諾料不要である旨主張することなどが考えられますが、いずれも法的要件を欠いたものにならざるを得ません。


そこで次善の方策としては、ご相談者様がご自宅を取得することについてお兄様から同意と協力を得られることを前提に、地主に叔父様の遺言書を開示せずお兄様と遺産分割協議を行った結果としてご自宅を相続する旨を通知することが考えられます。つまり、叔父様の遺言書を無効にしてお兄様との遺産分割協議を成立させることです。これにより、ご相談者様は遺贈ではなく相続でご自宅を取得することになるわけですから、地主に対する承諾料の支払い義務は発生しません。


いずれにせよ地主がご相談者様の承諾料等の支払いに拘るようであれば、交渉は難航することが予想されます。費用対効果次第ですが、地主との交渉を弁護士に依頼することも一案と考えられます。

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