遺言で亡き父が相続するはずだった財産を代襲相続することはできますか?

先月、祖父が亡くなりました。


祖父は私の父に自宅を譲る内容の公正証書遺言を作成していましたが、父は2年前に他界しています。この場合、私が父の代襲相続人として祖父の自宅を相続することになりますか?

公開日時 : 2019年03月26日
カテゴリー : 相続に関係すること

ご相談者様のお考えの通り、本件と同じような事例で遺贈(いぞう)する財産を代襲相続人が相続することを認めた判例(東京地裁判平18.6.29)があります。しかし、この判例は従来の通説とは異なっており、その論旨に異論が出ています。


通説に従うと、本件ご自宅はご相談者様を含めた全員の相続人による遺産分割協議の対象となります。この遺産分割協議で他の相続人全員の同意を得られない限りは、ご相談者様は本件ご自宅を相続することはできません。


この根拠として、民法第994条第1項に「遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じない。」とあり、これを「同時存在の原則」といいます。この条文を本件に当てはめますと、受遺者(=お父様)は遺言者(=お祖父様)が亡くなった時点で生存していなければ遺贈(=お父様が自宅を相続すること)は受けることができないということになります。


つまり、お父様が亡くなったことにより本件ご自宅の相続についてお祖父様の遺言が無効となったことを意味します。お父様は亡くなった時点でお祖父様の遺言に基づき本件ご自宅を相続する権利を失うわけですから、同時にご相談者様が本件ご自宅を代襲相続する権利も無くなるのです。


もちろん、ご相談者様はお父様の代襲相続人として本件ご自宅を含めたお祖父様の相続財産全てについて、お父様の法定相続割合と同等に相続する権利があります。本件ご自宅以外の相続財産の額にもよりますが、もし本件ご自宅の相続に拘りが無いのでしたら遺産分割協議で他の資産を相続することを主張してみてはいかがでしょうか。


もし相続財産のうち本件ご自宅の価値が突出して高く、ご自宅のままでは法定相続割合通りに分割することが難しい場合は、売却して現金化し分割することを提案してみてください。

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