不動産売却みんなのQ&A

2020.10.22 相続について

遺言書に記載されていない財産は、どうすれば良いですか?

先般、兄が亡くなりました。


兄は生前に私を執行者(編集部注:亡くなった人から、遺言の内容を実現することを託された人)に指定した公正証書遺言を作成していました。

相続人は兄の長男・長女・次男であり、遺言書の内容は以下のとおりです。


・銀行預金と保険金は、3人で均等に分ける。
・自宅不動産は長男が相続する。
・株式とその他の財産は長女が相続する。
・貸アパートは次男が相続する。

遺言書をよく読んでみると、兄が遠隔地に所有しているはずのリゾートマンションの記載が漏れていることに気づきました。知り合いの不動産会社の人にインターネットで登記簿謄本を出してもらったところ、確かに今でも兄の持ち物でした。

また、兄が亡くなったことを銀行に連絡した際に、兄は銀行に貸金庫を借りていたことがわかりました。兄の子供たち全員が立ち合って貸金庫を開けてみたところ、金塊が出てきました。これについても、遺言書に書かれていません。

遺言書に書かれていないリゾートマンションと金塊について、兄の子供たちは誰も自分のものだと主張していません。そして誰が相続するかについては、遺言の執行者である私の判断に委ねると言っています。

遺言の執行者として、私はどのような割合でリゾートマンションと金塊を甥と姪に分けることがふさわしいのか、教えてください。

ご相談者様が遺言書の内容を忠実に執行するのであれば、リゾートマンションと金塊は「その他財産」として、長女へ相続させることが妥当です。

 

一般的に「その他財産」とは、衣服や食器など財産としての価値や重要性が低く、また遺言書に具体的に記載することが難しいことから、遺言者が遺言書に記載する必要がないと判断した財産のことを指します。また、「その他財産」には財産価値や重要性が高いにも関わらず、遺言書に書き忘れてしまった資産も含まれると考えられています。

 

本件のリゾートマンションと金塊は相応の財産価値があると考えられますが、お兄様はそれらを遺言書に特定して記載していなかったことから、当該財産は遺言書上「その他財産」に分類されます。

 

その理由をご説明しますと、仮に遺言書で自宅不動産の住所などを特定していなかったとしても、お兄様が当該リゾートマンションには普段住んでおらず当該市区町村に住民票等も置いていないのであれば、客観的に自宅不動産とは解釈できません。また、金塊は銀行から借りている金庫に保管しているだけなので、当然に預金には該当しません。

 

そして「その他財産」は長女が相続する遺言となっています。したがって、当該財産は長女が相続することが遺言書の内容に沿った相続となるのです。

 

このために長女の相続割合が突出して高くなるなどの理由で、相続人の間で財産の分割割合について議論が生じることも考えられます。もし相続人全員が合意のもと遺言書と異なる分割割合を希望したとしても、遺言執行者であるご相談者様が同意すれば遺言書と異なった割合による相続は可能です。

 

その場合、必ず遺産分割協議書(相続する財産や相続人間の割合について、相続人全員が合意したことを証明する書面)を作成してください。特にリゾートマンションを長女以外の人が相続する場合は遺言の内容と異なる相続になるため、所有権移転登記を行う際に遺産分割協議書の提出が求められます。

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