農地を売りたいけど、どこに相談すれば?最適な相談先と売却方法がわかる完全ガイド

2026.02.18

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「親から農地を相続したものの、管理が負担で手放したい」
「でも、農業のことは全くわからないし、誰に相談したらいいんだろう…」

このような悩みを抱えていらっしゃる方は、決して少なくありません。
農地の売却は、一般的な不動産売却とは異なり、農地法という専門的な法律が関わるため、手続きが複雑になりがちです。

しかし、ご安心ください。
この記事を読めば、あなたの状況に合った最適な相談先がどこなのかが明確になります。さらに、売却までの具体的なステップや、費用、税金のことまで、専門知識がない方にも分かりやすく解説します。正しい知識を身につけ、納得のいく農地売却への第一歩を踏み出しましょう。

まずはここから!あなたの状況に合った相談先がわかる「意思決定フロー」

「結局、私はどこに相談すればいいの?」という疑問に、まずはお答えします。
農地売却は、ご自身の目的や農地の状況によって、最初に相談すべき相手が異なります。
以下のフローチャートで、あなたの状況を確認してみましょう。

ステップ あなたの状況・目的 次のアクション
STEP 1 売却の目的を考える 農地のまま農業を続ける人に売りたいか?
宅地など農業以外の目的で売りたいか?
– とにかく早く現金化したいか?
STEP 2 どんな状況でも、最初の相談はここ! 「農業委員会」
あなたの農地が売却できるか、転用できるかの基本的な可能性を無料で相談できます。
STEP 3 農業委員会の見解を踏まえて専門家へ 農地のまま売却を目指す場合
不動産会社(農地売買に強い)、農協(JA)転用して売却を目指す場合
不動産会社(農地転用に強い)、行政書士早く現金化したい、買い手が見つからない場合
農地買取業者

このフローの通り、まずはご自身の農地がある市区町村の「農業委員会」に相談することが基本となります。
そこで得た情報を基に、次のステップに進むのが最も効率的で確実な方法といえるでしょう。

農地売却の相談先7選|役割・費用・メリット・デメリットを徹底比較

農地売却には、様々な専門家が関わります。
それぞれの役割と連携を理解し、どの段階で誰に頼るべきかを知っておくことが重要です。
ここでは、主要な7つの相談先について、その特徴を比較しながら解説します。

相談先 主な役割 メリット デメリット 費用相場(目安)
農業委員会 農地法に基づく審査、売却・転用可否の初期判断 無料相談、公的で公平なアドバイス 売却活動や手続き代行は行わない 無料
不動産会社 買い手探し、価格査定、売買契約仲介 売却活動全般を任せられる 仲介手数料がかかる、会社により専門性が異なる 仲介手数料[2]
農地買取業者 農地の直接買取 スピーディーな現金化、仲介手数料不要 仲介より売却価格が低くなる傾向 買取価格に含まれる
行政書士 農地法許可申請書の作成・提出代行 複雑な行政手続きを円滑に進められる 買い手探しや価格交渉は行わない 約5万円~15万円[1]
司法書士 所有権移転登記、地目変更登記などの代行 正確な登記手続きで権利関係を確定できる 買い手探しや許可申請は行わない 数万円~数十万円
土地家屋調査士 土地の測量、境界確定 土地の正確な状況を把握し、トラブルを防ぐ 売却活動や法務手続きは行わない 数十万円~
税理士 税務相談、確定申告代行、節税アドバイス 最適な節税策の提案を受けられる 売却活動や法務手続きは行わない 数万円~数十万円

1. 農業委員会:全ての基本!売却・転用の可否を判断する最初の窓口

農業委員会は、各市区町村に設置されている行政委員会です。
農地売却を考え始めたら、まず最初に相談すべき場所と言えます。
公的な立場から、あなたの農地がどの区分に該当するのか、売却や転用が可能かといった基本的な見解を無料で教えてくれます。

ここで確認すべき主なポイントは以下の通りです。

  • 所有する農地の区分(農用地区域内か、市街化区域かなど)
  • 農地のまま売却する場合の要件
  • 宅地などへ転用できる可能性

農業委員会での相談は、遠回りに見えて、実は最も確実な近道です。

2. 不動産会社:買い手探しと売却実務のプロフェッショナル

農業委員会で売却の基本的な方向性が定まったら、次に具体的な売却活動を依頼するのが不動産会社です。
買い手探しから価格査定、内覧の対応、契約書の作成、引き渡しまで、売却に関する実務を幅広くサポートしてくれます。

ただし、注意点として、全ての不動産会社が農地売買に詳しいわけではありません。
農地法に関する専門知識や、地域での売買実績が乏しい会社に依頼すると、適切なアドバイスが受けられない可能性があります。

【重要】農地売買に強い不動産会社の選び方・見分け方

信頼できる不動産会社を見つけることは、農地売却の成功を大きく左右します。
以下のポイントを参考に、慎重に選びましょう。

  • 農地売買・転用の実績が豊富か
    • 会社のウェブサイトで過去の取引事例を確認したり、直接問い合わせてみましょう。
  • 地域の農業事情や規制に精通しているか
    • 地域に密着した会社の方が、買い手候補の情報や地域のルールに詳しい場合があります。
  • 担当者が専門知識を持っているか
    • 農地法や関連法規について、質問に的確に答えられるかを確認しましょう。
  • 複数の会社に査定を依頼する
    • 1社だけでなく、複数の会社から査定を取り、比較検討することが大切です。
    • 農地専門の一括査定サイトなどを活用するのも一つの方法です。

3. 農地買取業者:早く・確実に現金化したい場合の選択肢

「仲介でなかなか買い手が見つからない」「相続税の支払いが迫っていて、とにかく早く現金化したい」といった場合には、農地専門の買取業者に直接買い取ってもらう方法もあります。

買取の最大のメリットは、そのスピード感です。
不動産会社を介した仲介と違い、買取業者が直接の買主となるため、条件が合えば短期間で売買が成立します。
また、仲介手数料がかからない点も魅力です。

一方で、農地買取価格は、市場価格を考慮して決定されますが、立地や条件によって変動します。一般的に、仲介による売却よりも低くなる傾向があります。
価格よりもスピードや確実性を優先したい場合に適した選択肢と言えるでしょう。

4. 行政書士:複雑な「農地法許可申請」手続きの専門家

農地を売却したり、転用したりする際には、必ず農業委員会へ「許可申請」を行う必要があります。
この申請書類の作成や提出は非常に専門的で複雑なため、行政書士に代行を依頼するのが一般的です。

特に農地転用の申請は、事業計画の妥当性などを示す詳細な書類が求められます。
農地法関連業務の実績が豊富な行政書士に依頼することで、許可が下りる可能性を高め、手続きをスムーズに進めることができます。

5. 司法書士:売買契約後の「登記」手続きを担う専門家

無事に売買契約が成立し、農業委員会の許可が下りたら、法務局で土地の所有権を買主に移す「所有権移転登記」を行います。
また、農地転用した場合は、土地の種類を「畑」や「田」から「宅地」などに変更する「地目変更登記」も必要です。

これらの登記手続きは、不動産取引の安全性を確保するための最終段階であり、司法書士がその専門家です。
通常は、仲介を依頼した不動産会社が提携する司法書士を紹介してくれるケースが多いです。

6. 土地家屋調査士:土地の「境界」を確定させる専門家

相続した農地などで、隣地との境界があいまいになっているケースは少なくありません。
境界が不明確なままでは、買主も安心して購入できないため、売却前に「境界確定測量」が必要になることがあります。

この測量と境界確定の専門家が、土地家屋調査士です。
測量には数十万円以上の費用と数ヶ月の期間がかかることもありますが、将来のトラブルを未然に防ぐためには不可欠な手続きとなります。

7. 税理士:「税金」の不安を解消し、節税をサポートする専門家

農地を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、その利益に対して所得税や住民税がかかります。
この税金の計算は複雑で、様々な特例や控除が設けられています。

特に売却益が大きくなる見込みの場合や、相続が絡む場合には、事前に税理士に相談することをおすすめします。
適用できる節税策についてアドバイスを受け、正確な確定申告をサポートしてもらうことで、手元に残る金額が大きく変わる可能性があります。

農地を売る2つの方法|「農地のまま売る」vs「転用して売る」どちらを選ぶべき?

農地の売却方法には、大きく分けて2つの選択肢があります。「農地のまま売る」か、「宅地などに転用してから売る」かです。どちらの方法が適しているかは、農地の立地やあなたの目的によって大きく異なります。

項目 農地のまま売却(農地法第3条許可) 農地転用後売却(農地法第4条・第5条許可)[7]
概要 買い手が農業を継続することを前提に売却する。 農地を宅地や駐車場など、農業以外の目的に変更してから売却する。
メリット – 手続きが比較的シンプル
– 費用を抑えやすい
– 買い手の幅が広がる
– 高値で売却できる可能性がある
デメリット – 買い手が農業従事者などに限定される[6]
– 売却価格が低めになる傾向がある
– 手続きが複雑で時間がかかる
– 転用許可が下りないリスクがある
– 造成費用などが高額になる場合がある
向いているケース – 買い手候補(近隣農家など)がいる
– 農業に適した優良な農地である
– 市街地に近い、または幹線道路沿いにある
– 周辺で宅地開発が進んでいる
主な相談先 – 農業委員会
– 農協(JA)
– 農地売買に強い不動産会社
– 農業委員会
– 農地転用に強い不動産会社
– 行政書士

方法1:農地のまま売却する(農地法第3条許可)

この方法は、農地をこれからも農地として活用してくれる人に売却するケースです。
買い手は、原則として農業を営む個人や農業法人などに限られます。

手続きは農地転用に比べてシンプルですが、最大のハードルは買い手を見つけることです。
近隣の農家の方に直接打診したり、地域の農協(JA)や農業委員会にあっせんを依頼したり、農地専門の不動産会社に相談するのが一般的な探し方です。

農業を続けたいという意欲のある買い手が見つかれば、スムーズに話が進む可能性があります。

方法2:農地を転用して売却する(農地法第4条・第5条許可)

この方法は、農地を宅地や商業用地、駐車場などに変えてから売却するケースです。
農業者以外にも買い手の幅が広がるため、立地条件が良ければ高値での売却が期待できます。

ただし、どんな農地でも転用できるわけではありません。
特に、農業に適した優良な農地や、市街化調整区域内の農地は、転用許可のハードルが非常に高くなります。[3]

また、転用許可の申請手続きは複雑で、行政書士などの専門家のサポートが不可欠です。
さらに、宅地として売るためには整地などの造成工事が必要となり、多額の費用がかかることも念頭に置く必要があります。

【ケース別】農地売却にかかる費用はいくら?内訳と相場をシミュレーション

農地売却には、具体的にどれくらいの費用がかかるのでしょうか。
ここでは、2つの代表的なケースを基に、費用の内訳と概算をシミュレーションします。
個別の状況により費用は大きく変動するため、あくまで一般的な目安としてご参照ください。

ケーススタディ1:地方の農地(500万円)を「農地のまま」売却した場合

費用項目 費用の目安 備考
許可申請費用(行政書士) 約5万円 農地法第3条許可申請の場合
仲介手数料(不動産会社) 約23万1,000円 (500万円×3%+6万円)+消費税
測量費用 0円 境界が明確な場合
登記費用(司法書士) 約10万円 登録免許税、司法書士報酬など
印紙税 2,000円 売買契約書に貼付
合計費用(概算) 約38万3,000円

ケーススタディ2:郊外の農地(2,000万円)を「宅地に転用して」売却した場合

費用項目 費用の目安 備考
許可申請費用(行政書士) 約15万円 市街化調整区域の農地転用の場合
測量費用(土地家屋調査士) 約40万円 境界確定、図面作成など
造成費用 約300万円 整地、インフラ引き込みなど(土地の状況による)
仲介手数料(不動産会社) 約72万6,000円 (2,000万円×3%+6万円)+消費税
登記費用(司法書士) 約20万円 所有権移転、地目変更登記など
印紙税 1万円 売買契約書に貼付
合計費用(概算) 約448万6,000円

このように、売却方法によって費用は大きく異なります。
特に農地転用は、高額な造成費用がかかる可能性があるため、慎重な資金計画が必要です。

農地売却で損しないための税金知識|使える特例・控除と節税策

農地を売却して得た利益(譲渡所得)には、所得税と住民税が課税されます。
税金の仕組みを理解し、適用できる特例を漏れなく活用することが、手元に残るお金を最大化する鍵となります。

農地売却にかかる「譲渡所得税」の基本計算

譲渡所得税は、以下の計算式で算出されます。
売却代金そのものではなく、あくまで「利益」に対して課税されるのがポイントです。

  • 譲渡所得 = 売却価格 – (取得費 + 譲渡費用)
  • 譲渡所得税 = 譲渡所得 × 税率
項目 内容
取得費 その農地を購入したときの代金や手数料。不明な場合は売却価格の5%で計算可能。
譲渡費用 売却のために直接かかった費用(仲介手数料、印紙税など)。
税率 所有期間が5年超(長期譲渡)か5年以下(短期譲渡)かで異なる。長期は約20%、短期は約39%。

特に相続した農地は、取得費が分からないケースが多いです。
その場合、売却価格の5%を取得費とみなしますが、実際の取得費より低く計算され、税金が高額になる可能性があるため注意が必要です。

知らないと損!農地売却で活用できる5つの節税特例

農地の売却には、税負担を軽減するための様々な特例が用意されています。
ただし、適用要件は非常に複雑なため、最終的な判断は必ず税理士などの専門家にご相談ください。

特例の名称 概要 主な適用条件(一例)
特定の事業用資産の買換え特例 譲渡益に対する課税を、将来に繰り延べることができる。 売却した農地の代わりに、別の事業用資産(農地など)を購入する場合。
収用等の場合の5,000万円特別控除 譲渡所得から最大5,000万円を控除できる。 公共事業などのために、国や地方公共団体に農地を売却した場合。
居住用財産の3,000万円特別控除 譲渡所得から最大3,000万円を控除できる。 自宅の庭の一部が農地だった場合など、限定的な状況で適用される可能性がある。
相続税の取得費加算の特例 支払った相続税の一部を取得費に加算できる。 相続した農地を、相続開始から3年10ヶ月以内に売却した場合。

これらの特例を適用できるかどうかで、納税額は大きく変わります。

ケーススタディ3:相続した農地(取得費不明)を売却した場合の税金と節税

条件 – 30年前に祖父が取得した農地(取得費不明)
– 相続後1年で1,500万円で売却
– 譲渡費用は70万円
– 相続時に支払った相続税のうち、この土地に対応する額が100万円
① 節税策を使わない場合(概算取得費5%で計算) 譲渡所得 = 1,500万円 – (75万円 + 70万円) = 1,355万円
税額(概算) = 1,355万円 × 20% ≒ 271万円
②「相続税の取得費加算の特例」を使った場合 取得費に加算 = 100万円(支払った相続税)
譲渡所得 = 1,500万円 – (75万円 + 70万円 + 100万円) = 1,255万円
税額(概算) = 1,255万円 × 20% ≒ 251万円

このケースでは、特例を使うことで税額が約20万円軽減される可能性があります。
個別の状況によって効果は異なるため、専門家への相談の重要性がわかります。

「売れない」と諦める前に!農地売却を阻む5つの課題と解決策

農地売却が難しいと言われるのには、特有の理由があります。
しかし、課題を正しく理解し、適切な対策を講じることで、売却への道が開けるケースも少なくありません。

課題1:土地の境界が不明確になっている

相続した土地でよくあるのが、隣地との境界がはっきりしない問題です。
解決策:売却活動を始める前に、土地家屋調査士に依頼して「境界確定測量」を行いましょう。
費用はかかりますが、買主の不安を取り除き、安全な取引を実現するために不可欠です。

課題2:農用地区域内にある(原則転用不可)

農業を振興する地域として指定されている「農用地区域」内の農地は、原則として農業以外の目的で利用することができません。
解決策:農用地区域から除外する「農振除外」の申請を検討しますが、認められるための要件は非常に厳しく、ハードルは高いのが実情です。
まずは農業委員会に、除外の可能性や他の活用方法がないか相談してみましょう。

課題3:立地が悪く、買い手が見つからない

山間部や過疎地域にある農地は、農業の担い手が見つかりにくく、売却が困難になることがあります。
解決策

  • 近隣の農家や農業法人へ粘り強く打診する。
  • 農地を貸したい所有者と借りたい農業者をつなぐ「農地バンク(農地中間管理機構)」に相談する。
  • 最終手段として、農地専門の買取業者に査定を依頼する。

課題4:地域住民や水利組合との調整が必要

農地を転用する場合、周辺の景観や農業用水の利用に影響が及ぶことがあります。
その結果、地域住民や水利組合から計画に理解が得られないケースもあります。
解決策:計画の初期段階から、地域の方々へ丁寧に説明を行い、合意形成を図る努力が重要です。
行政書士や不動産会社に間に入ってもらい、調整を進めることも有効な手段です。

まとめ:農地売却の成功は、正しい相談先選びから始まる

農地の売却は、専門的な知識が求められる複雑な手続きです。
しかし、一つ一つのステップを丁寧に進め、信頼できる専門家のサポートを得ることで、納得のいく売却は十分に可能です。

成功への道筋を、最後にもう一度確認しましょう。

  1. まずは「農業委員会」へ相談する
    • あなたの農地の現状を把握し、売却や転用の基本的な可能性を確認します。
  2. 売却方針を明確にする
    • 「農地のまま売るか、転用するか」「価格を優先するか、スピードを優先するか」など、ご自身の目的をはっきりさせます。
  3. 状況に応じて最適な専門家と連携する
    • 農業委員会の見解を基に、農地売買に強い不動産会社、行政書士、税理士などを適切に選び、チームとして売却を進めていきます。

この記事が、あなたの農地売却への不安を少しでも和らげ、次の一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。

 

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の状況に対する判断や結果を保証するものではありません。実際の不動産取引・税務・法務については、税理士・司法書士・弁護士などの専門家へご相談ください。

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