【譲渡所得】ふるさと納税の限度額はいくら増える?簡単シミュレーションと失敗しない5つの注意点

2026.02.14

【譲渡所得】ふるさと納税の限度額はいくら増える?簡単シミュレーションと失敗しない5つの注意点のイメージ画像長年お持ちだった不動産や株式を売却され、まとまった利益が出た方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、このような一時的な「譲渡所得」が発生した年は、ふるさと納税の寄付限度額が大幅に増える絶好の機会となる可能性があります。
しかし、「計算方法が複雑そう」「間違えて損をしたくない」といった不安から、一歩踏み出せない方も少なくありません。

この記事では、譲渡所得がある場合のふるさと納税について、専門知識がない方でもご理解いただけるよう、以下の点を分かりやすく解説します。

  • なぜ譲渡所得で限度額が増えるのかという基本的な仕組み
  • 一番簡単で正確な限度額の調べ方
  • 失敗しないための5つの重要な注意点

この記事を最後までお読みいただくことで、ご自身の状況に合わせた最適な寄付額を把握し、安心してふるさと納税を最大限に活用するための知識が身につきます。

なぜ?譲渡所得があるとふるさと納税の限度額が増える基本の仕組み

「所得が増えたから、限度額も増えるのだろう」と漠然とお考えの方も多いかもしれません。
その通りなのですが、もう少し詳しく仕組みを理解すると、ご自身の状況をより正確に把握できます。
ここでは、その基本となる考え方を2つのポイントに分けて解説します。

ふるさと納税の限度額に関わる「譲渡所得」とは?

譲渡所得とは、資産を売却して得られた利益のことを指します。
ふるさと納税の文脈でよく話題になるのは、主に以下の2種類です。

資産の種類 具体例 課税方法
不動産 土地、建物(マイホーム、投資用マンションなど) 申告分離課税
株式など 上場株式、投資信託など 申告分離課税

ポイントは、これらの譲渡所得が、会社員の方の給与所得などとは別に税額が計算される「申告分離課税」の対象である点です。
普段なじみのない言葉かもしれませんが、これがふるさと納税の限度額に影響を与えます。

限度額は「住民税所得割額」で決まる

ふるさと納税の寄付限度額は、その人が納める住民税額や所得に応じて変動します。
この計算の基礎となるのが「住民税所得割額」です。

住民税所得割額は、前年の所得金額に応じて課税される部分を指します。
そして重要な点は、この住民税所得割額を計算する際には、給与所得(総合課税)だけでなく、不動産や株式の譲渡所得(申告分離課税)も合算されるということです。

所得の種類 課税方法 住民税所得割額の計算
給与所得など 総合課税 計算に含まれる
譲渡所得 申告分離課税 計算に含まれる

つまり、譲渡所得によって所得の合計額が増えると、住民税所得割額も増加します。
その結果、ふるさと納税の寄付限度額も引き上げられる、という仕組みになっています。

【一番カンタン】譲渡所得を含めたふるさと納税の限度額を調べる方法

仕組みは理解できても、ご自身で複雑な計算式を使って限度額を算出するのは大変で、間違いのリスクも伴います。
そこでおすすめするのが、信頼できるシミュレーションツールの活用です。

おすすめシミュレーター3選|必要情報を入力するだけ!

現在は多くのふるさと納税サイトが、詳細な条件を入力できるシミュレーターを提供しています。
特に「分離課税される所得(譲渡所得など)」の入力欄があるものを選ぶことが重要です。

サイト名 特徴 こんな方におすすめ
楽天ふるさと納税 源泉徴収票や確定申告書の項目に沿って入力でき、直感的で分かりやすい。 楽天ユーザーや、初めてシミュレーターを使う方。
さとふる 質問に答えていくだけで入力項目が表示されるため、迷いにくい。 税金の知識に自信がない方でも安心して使いたい方。
ふるなび 譲渡所得の内訳(長期・短期など)も詳細に入力できる場合がある。 よりご自身の状況に合わせて正確な金額を把握したい方。

これらのシミュレーターを利用する際は、お手元に以下の書類をご用意いただくとスムーズです。

  • 給与所得の源泉徴収票
  • 譲渡所得の金額が分かる書類(売買契約書や証券会社の年間取引報告書など)

(参考)自分で計算したい人向けの計算式

より深く仕組みを理解したい方のために、一般的な計算式もご紹介します。
ただし、この式はあくまで目安であり、個人の控除状況によって変動するため、最終的な判断は専門家への相談もご検討ください。

ふるさと納税の控除上限額の目安
(住民税の所得割額×20%)÷(100%−住民税の税率10%−(所得税率×復興税率1.021%)+自己負担額2,000円)

この計算式における「住民税所得割額合計」には、給与所得にかかるものと、譲渡所得にかかるものの両方が含まれます。
譲渡所得が大きいほど、この合計額が増加し、結果として控除上限額も高くなることが分かります。

【いくら増える?】年収・譲渡所得別の限度額シミュレーション

譲渡所得があることで、実際に限度額がどのくらい増えるのか、具体的なケースで見てみましょう。
ここでは、あくまで一般的な条件に基づいた概算値をご紹介します。

ケース1:年収400万円の会社員 + 不動産譲渡所得1,000万円

給与所得に加えて、不動産売却による大きな譲渡所得が発生したケースです。

状況 ふるさと納税の限度額(目安) 備考
譲渡所得がない場合 約 42,000 円 給与所得のみの場合の限度額です。
譲渡所得がある場合 約 260,000 円 限度額が大幅に増加する可能性があります。

※配偶者・扶養家族なし、所得控除は基礎控除・社会保険料控除のみと仮定。

ケース2:年金収入200万円 + 株式譲渡所得500万円

年金生活者の方が、株式投資で利益を得たケースです。

状況 ふるさと納税の限度額(目安) 備考
譲渡所得がない場合 約 17,000 円 公的年金等控除などを考慮した限度額です。
譲渡所得がある場合 約 120,000 円 年金生活者の方でも大きなメリットが見込めます。

※65歳以上、単身世帯、所得控除は基礎控除・社会保険料控除のみと仮定。

ケース3:専業主婦で所得は不動産譲渡所得2,000万円のみ

他に所得がない専業主婦(主夫)の方が、相続した不動産などを売却したケースです。

状況 ふるさと納税の限度額(目安) 備考
所得がない場合 0 円 所得税・住民税を納めていないため対象外です。
譲渡所得がある場合 約 420,000 円 譲渡所得のみでも、ふるさと納税の対象となります。

※各種所得控除を考慮した概算値。

これらのシミュレーションから分かるように、譲渡所得の発生は、ふるさと納税の限度額を大きく引き上げる可能性があります。

【絶対に見逃せない】譲渡所得がある年のふるさと納税 5つの重要注意点

限度額が増えるという大きなメリットを確実に享受するためには、いくつか重要な注意点があります。
これらを知らずに進めてしまうと、想定外の自己負担が発生する可能性もあるため、必ずご確認ください。

注意点1:確定申告が必須!ワンストップ特例は利用不可

最も重要なポイントです。
譲渡所得が発生した年は、その所得を申告するために、原則として確定申告が必要になります。

手続き 譲渡所得がある年の対応
ワンストップ特例制度 利用できません
確定申告 必須です

ふるさと納税の手続きも、この確定申告の中で「寄附金控除」として申請することになります。
給与所得者で普段は確定申告に馴染みがない方も、この年ばかりは手続きが必要になる点を覚えておきましょう。

注意点2:不動産の「3,000万円特別控除」で譲渡所得が0円なら限度額は増えない

マイホームなど居住用不動産を売却した場合、「譲渡所得から最高3,000万円を控除できる」という非常に有利な特例があります。
この特例を適用した結果、課税対象となる譲渡所得が0円になるケースも少なくありません。

状況 課税譲渡所得 ふるさと納税限度額への影響
譲渡所得が3,000万円以下 0 円 増えません
譲渡所得が3,000万円超 超過分 超過分に応じて増えます

あくまで、ふるさと納税の限度額を増やすのは「課税対象となる譲渡所得」です。
この特例によって所得が0円になった場合は、限度額は給与所得など他の所得のみに基づいて計算される点にご注意ください。

注意点3:「源泉徴収あり特定口座」の株式利益も確定申告しないと限度額に反映されない

株式投資をされている方の多くが利用する「源泉徴収ありの特定口座」は、利益が出るたびに自動で税金が天引きされるため、原則として確定申告が不要です。
しかし、そのままだと株式の譲渡所得がなかったものとして扱われてしまいます。

ふるさと納税の限度額に株式の利益を反映させるためには、あえて確定申告を行う必要があります。
ただし、申告により所得額が増えることで、国民健康保険料の増額や、扶養から外れるなどの影響が出る可能性もあります。
どちらが有利になるかは個別の状況によるため、慎重な判断が求められます。

注意点4:寄付のタイミングは「所得が発生した年内」が鉄則

ふるさと納税の控除は、暦年単位(1月1日から12月31日まで)で計算されます。
つまり、不動産や株式を売却して譲渡所得が発生したその年の12月31日までに、寄付の決済を完了させる必要があります。

OKな例 NGな例
不動産売却 2024年8月に売却 2024年8月に売却
ふるさと納税 2024年12月に寄付 2025年1月に寄付
結果 2024年分の所得として控除対象 2025年分の寄付となり、限度額増の恩恵を受けられない

年末は申し込みが殺到するため、余裕をもって11月中、遅くとも12月上旬には手続きを終えることをおすすめします。

注意点5:医療費控除など他の控除と併用する場合は限度額が変わる可能性あり

ふるさと納税以外にも、所得から差し引かれる「所得控除」には様々な種類があります。

  • 医療費控除
  • iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金
  • 生命保険料控除 など

これらの控除を適用すると、課税対象となる所得金額が減少します。
その結果、ふるさと納税の限度額も影響を受けて少し下がる可能性があります。
詳細シミュレーターを利用する際は、これらの控除額も忘れずに入力することで、より正確な限度額を把握できます。

譲渡所得とふるさと納税に関するQ&A

ここでは、多くの方が疑問に思われる点について、Q&A形式でお答えします。

Q. 不動産売却で損失(譲渡損)が出ました。ふるさと納税はできますか?

A. はい、他の所得(給与所得など)があれば、その範囲内でふるさと納税は可能です。
ただし、不動産の譲渡損失は、ふるさと納税の限度額を増やす効果はありません。
限度額は、あくまで給与所得などプラスの所得に基づいて計算されます。

Q. 計算が複雑で不安です。税理士に相談した方がいいですか?

A. ご自身での判断に不安がある場合は、専門家への相談も有効な選択肢です。

判断の目安 おすすめの対応
譲渡所得の金額が大きく、計算に自信がない 税理士への相談を推奨します。正確な限度額を算出してもらえます。
他の控除(住宅ローン控除など)との兼ね合いが複雑 税理士や税務署に相談することで、全体として最適な方法を確認できます。
まずは概算額を知りたい 本記事で紹介したシミュレーターの活用が手軽でおすすめです。

特に譲渡所得の金額が大きい場合、専門家に相談することで、安心して手続きを進められるというメリットがあります。

まとめ:譲渡所得が発生した年は、ふるさと納税を最大限活用する絶好のチャンス!

不動産や株式の売却で譲渡所得が発生した年は、税金の負担について考えなければならない一方で、ふるさと納税の観点からはまたとない機会と言えます。

最後に、この記事の重要なポイントを振り返ります。

  • 譲渡所得が発生すると、住民税の計算基礎となる所得が増えるため、ふるさと納税の限度額も増加する可能性があります。
  • 正確な限度額は、源泉徴収票や譲渡所得の金額を用意して、各ふるさと納税サイトの「詳細シミュレーター」で調べるのが最も簡単で確実です。
  • 譲渡所得がある年のふるさと納税には、以下の5つの注意点が特に重要です。
    1. 確定申告が必須で、ワンストップ特例は使えません。
    2. 不動産の3,000万円特別控除で所得が0円になれば、限度額は増えません。
    3. 源泉徴収あり特定口座の株式利益も、限度額に反映させるには確定申告が必要です。
    4. 寄付は必ず所得が発生した年の12月31日までに完了させましょう。
    5. 医療費控除など他の控除も忘れずにシミュレーターに入力しましょう。

この特別な機会を最大限に活かし、魅力的な返礼品を受け取りながら、賢く税金の控除を受けるために、ぜひ計画的にふるさと納税をご活用ください。


本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の状況に対する判断や結果を保証するものではありません。実際の不動産取引・税務・法律判断については、税理士・司法書士・弁護士などの専門家へご相談ください。

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