【売却は可能です】家の前の道路が他人10人の共有私道…不動産売却の全手順と解決策

2026.02.02

家の前の道路が他人10人の共有私道…不動産売却の全手順と解決策のイメージ画像「家の前の道路の持ち主が10人もいる…」
「こんな複雑な状況で、大切な家が売れるのだろうか?」

このような深刻な悩みを抱え、途方に暮れている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
親から相続した、あるいは長年住み慣れたご自宅の売却準備を進める中で、前面道路が多数の他人と共有する「共有私道」であると知り、強い不安と焦りを感じていらっしゃるお気持ち、お察しいたします。

ご安心ください。
結論から申し上げますと、適切な手順と戦略をもって臨めば、たとえ共有者が10人いる私道に面した不動産であっても売却は十分に可能です。
この記事では、なぜ共有私道が売却の難関となるのかという根本原因から、具体的なトラブル事例、そして売却を成功に導くための3つのステップを、不動産の専門家が分かりやすく徹底解説します。
この記事を最後までお読みいただくことで、漠然とした不安が具体的な行動計画に変わり、大切な資産を適正な価格で、そして円滑に売却するための道筋が見えてくるはずです。

まずは落ち着いて。なぜ「共有者10人」の私道が売却の難関なのか?

あなたの不動産は大丈夫?共有私道が引き起こす5つの深刻なトラブル事例

【ステップ1:調査編】売却成功の第一歩は権利関係の徹底調査から

【ステップ2:交渉編】共有者全員の合意を得るための実践的アプローチ

【ステップ3:最終手段】交渉が難航したときの法的な解決策

複雑な共有私道問題こそ「地域密着」の不動産会社に相談すべき理由

まとめ:10人共有の私道でも諦めないで!専門家と進める売却戦略

まずは落ち着いて。なぜ「共有者10人」の私道が売却の難関なのか?

家の前の道路に10人もの共有者がいると聞いて、多くの方が「なぜそれが問題なの?」と疑問に思われるかもしれません。
その答えは、不動産取引における「合意形成の難しさ」という、非常にシンプルかつ根深い問題にあります。
まずは問題の核心を理解し、冷静に状況を把握することから始めましょう。

そもそも私道とは?2つの所有形態「共同所有型」と「相互持合型」

私道とは、国や地方自治体が所有・管理する「公道」とは異なり、個人や法人が所有する道路のことです。
そして、その所有形態は、主に以下の2つのパターンに分けられます。

所有形態 概要 特徴
共同所有型 1つの道路(一筆の土地)を、複数人が共有名義で所有する形式です。 ・各共有者は、持分割合に応じた権利を持ちます。
・道路全体の管理や変更には、原則として共有者全員の同意が必要です。
相互持合型(分筆型) 道路を複数の区画に分け(分筆)、各区画をそれぞれが単独で所有する形式です。 ・自分の所有部分については単独で権利を持ちます。
・お互いの土地を通行するため、通常は「通行地役権」などを設定します。

ご自身の不動産が面している私道がどちらのタイプなのかを把握することが、問題解決の第一歩となります。

多数の共有者がいると「合意形成」が最大の壁になる

不動産売却において、なぜ共有者が多いことが問題になるのでしょうか。
それは、私道に関する重要な決定には、原則として共有者全員の同意が必要になるためです。

例えば、以下のようなケースを考えてみてください。

  • 買主が家を建て替えるために、水道管の引き込み工事で道路を掘削したい
  • 道路のアスファルトが傷んできたので、補修工事を行いたい
  • 買主が安心して通行できるように、通行ルールを明確に定めたい

これらの行為は、私道という他人の財産に変更を加える可能性があるため、所有者である共有者全員からの承諾が不可欠です。
共有者が2〜3人であれば、まだ話し合いの余地があるかもしれません。
しかし、10人もの共有者がいれば、全員の意見を一つにまとめることは極めて困難になります。
この「合意形成の壁」こそが、共有私道に面した不動産売却を難しくする最大の要因なのです。

あなたの不動産は大丈夫?共有私道が引き起こす5つの深刻なトラブル事例

共有私道の問題を放置したまま売却活動を進めると、思わぬトラブルに見舞われる可能性があります。
ここでは、実際に多く見られる5つの深刻なトラブル事例をご紹介します。
ご自身の状況と照らし合わせ、潜在的なリスクを事前に把握しておきましょう。

トラブル1:ライフライン工事ができない「掘削承諾」の壁

不動産を購入する人の多くは、将来的な建て替えやリフォームを視野に入れています。
その際、水道管やガス管、下水道管などのライフラインを新たに引き込んだり、修繕したりする工事は不可欠です。
この工事には私道を掘削する必要があり、前述の通り、共有者全員からの「掘削承諾書」がなければ着手できません。
もし、共有者のうち一人でも反対すれば工事はできず、それが原因で買主の住宅ローンが承認されなかったり、最悪の場合、売買契約そのものが白紙になったりするリスクがあります。

トラブル2:毎日の通行もままならない「通行権」の争い

私道はあくまで私有地であるため、法律上は所有者の許可なく通行することはできません。
多くの場合、慣習として近隣住民の通行が黙認されていますが、共有者との関係が悪化すると事態は一変します。

  • 共有者の一人が「自分の土地だ」と主張して車を止め、通行を妨害する
  • 新たな所有者(買主)に対して、不当に高い通行料を請求してくる
    このような通行権をめぐる争いは、買主にとって日々の生活を脅かす大きなストレスとなり、売却の大きな障害となります。

トラブル3:誰も直さない…「維持管理費用」の負担問題

公道であれば行政が維持管理を行いますが、私道の場合は所有者である共有者がその責任と費用を負担しなければなりません。
アスファルトのひび割れ、側溝の詰まり、街灯の電球切れなど、道路の補修や清掃には費用がかかります。
しかし、共有者間で費用負担の割合や方法について合意が形成できず、トラブルに発展するケースは後を絶ちません。
「自分はあまり使わないから払いたくない」といった意見の対立から、道路はどんどん荒廃し、不動産全体の資産価値をも引き下げてしまうのです[1]。

トラブル4:連絡すら取れない「共有者不明・行方不明」問題

不動産が相続によって代々受け継がれていくうちに、共有者が増え、中には面識のない遠い親戚や、どこに住んでいるか分からない人が含まれていることがあります。
共有者の所在が不明であったり、連絡が取れなかったりする場合、売却に必要な承諾を得ることが物理的に不可能になります。
この問題は、売却手続きを完全に停止させてしまう非常に深刻な事態であり、解決には法的な手続きが必要になることも少なくありません。

トラブル5:売却の足かせとなる高額な「承諾料」請求

特に、分譲地開発を行った不動産会社が、意図的に私道の所有権を手放さずにいるケースがあります。
そうした場合、売却時に必要な掘削承諾などを盾に、数十万円から、時には100万円を超えるような高額な承諾料(ハンコ代)を請求されることがあります[2]。
これは、買主にとっては予期せぬ大きな出費となり、購入意欲を削ぐ大きな要因となります。

【ステップ1:調査編】売却成功の第一歩は権利関係の徹底調査から

ここまで読んで、不安がさらに大きくなったかもしれません。
しかし、問題が明確になれば、打つべき手も見えてきます。
ここからは、売却を成功させるための具体的な3つのステップに入ります。
最初のステップは、現状を正確に把握するための「徹底調査」です。費用対効果が最も高く、かつ最も重要なこのステップから始めましょう。

法務局で確認:公図と登記事項証明書で所有者と持分を特定

まずは、法的な権利関係を正確に把握することが不可欠です。
お近くの法務局へ行き、以下の書類を取得しましょう。

取得する書類 確認するポイント 取得方法
公図(こうず) ・家の前の道路の地番を特定する
・道路と自分の土地の位置関係を確認する
法務局の窓口、またはオンラインで請求可能
登記事項証明書(登記簿謄本) ・道路の所有者全員の氏名と住所
・各所有者の持分割合
・通行地役権などの権利設定の有無
道路の地番が特定できれば請求可能

これらの書類によって、「誰が」「どこに住んでいて」「どのくらいの権利を持っているのか」という、交渉の基礎となる情報がすべて明らかになります。

役所で確認:再建築の可否を左右する「建築基準法上の道路」か?

次に、その私道が建築基準法で認められた「道路」であるかを確認します。
これは、その土地に将来家を建て替えられるか(再建築可能か)を決定づける、資産価値に直結する非常に重要な情報です。
市区町村の役所(建築指導課など)で確認しましょう。

道路の種類 概要
位置指定道路 特定行政庁から道路として位置の指定を受けた私道
2項道路(みなし道路) 建築基準法が施行される前から存在し、道路として利用されていた幅員4メートル未満の道
1項3号道路(既存道路) 建築基準法が施行される前から存在する幅員4メートル以上の道
法外道路 上記いずれにも該当しない、建築基準法上の道路ではない道

もし、家の前の私道が「法外道路」であった場合、原則として再建築ができない「再建築不可物件」となり、売却はさらに困難になります[3]。

現地・書類で確認:私道利用に関する「協定書」の有無

最後に、共有者間で過去に交わされた私道の利用に関するルールがないかを確認します。

  • 私道管理規約
  • 通行・掘削に関する覚書
  • 協定書
    これらの書類が存在すれば、そこに維持管理費用の負担割合や通行ルールなどが明記されている可能性があります。
    もし既存のルールがあれば、それが交渉のベースとなり、話し合いをスムーズに進める助けとなります。

【ステップ2:交渉編】共有者全員の合意を得るための実践的アプローチ

調査によって現状が把握できたら、次はいよいよ共有者との交渉です。
このステップのゴールは、売却に不可欠な承諾を書面で得ることです。
感情的にならず、誠実な姿勢で、円滑な合意形成を目指しましょう。

売却の生命線「通行・掘削承諾書」を書面で取得する

不動産売買において、最も重要となるのが「通行・掘削承諾書」です。
これは、買主が将来にわたってその私道を問題なく利用できることを、全所有者が保証する書類です。
口約束はトラブルの元となるため、必ず書面の形で、共有者全員から署名・捺印をもらう必要があります。

項目 費用の目安 備考
承諾料(ハンコ代) 0円〜数十万円(場合によっては100万円以上) 共有者との関係性や慣習による。無償で協力してくれるケースも多い。
行政書士への依頼費用 基本料金33,000円 + 1件あたり16,500円〜33,000円 書類作成や共有者への説明を専門家に依頼する場合。

承諾料は決して安くありませんが、これを惜しむと売却そのものが頓挫しかねません。
不動産を適正価格で売却するための必要経費と捉えることが重要です。

【2021年民法改正】交渉の切り札になる新ルールとは?

共有者との交渉が難航した場合、知っておくと有利になる法律の改正があります。
2021年(令和3年)に改正された民法では、共有私道に関する新しいルールが設けられました。

改正民法のポイント 内容
ライフライン設置のための承諾 電気、ガス、水道などのライフラインを設置・変更するための工事について、他の共有者の承諾が不要になりました。(※ただし、他の共有者への影響が最も少ない場所・方法を選ぶ必要があります)
承諾に代わる裁判所の決定 上記以外の掘削などを伴う工事について、共有者の同意が得られない場合でも、裁判所に申し立てることで、承諾に代わる許可を得られるようになりました。(民法第213条の2)

この法改正は、交渉において「もし同意いただけない場合は、法的な手続きを取ることも可能です」という、正当な交渉材料(法的レバー)となり得ます。
この知識があるだけでも、理不尽な要求を退け、話し合いを有利に進められる可能性があります。

【ステップ3:最終手段】交渉が難航したときの法的な解決策

誠実に交渉を重ねても、どうしても共有者全員の合意が得られないケースもあります。
「もう打つ手がない…」と諦めるのはまだ早いです。
当事者だけでの解決が難しい場合は、専門家の力を借りて法的な手続きを進めるという最終手段が残されています。

弁護士・司法書士へ相談|法的トラブル解決のプロに任せる

共有者との意見対立が深刻化している、共有者の所在が不明、高額な承諾料を請求されているといった法的な問題が絡む場合は、速やかに専門家へ相談しましょう。

専門家 主な役割 費用目安
弁護士 ・共有者との交渉代行
・共有物分割請求訴訟などの法的手続き
30万円〜50万円(事案の複雑さによる)
司法書士 ・権利関係の調査、登記手続き
・不在者財産管理人選任申立ての支援
業務内容に応じて変動

専門家が介入することで、感情的な対立を排し、法に基づいた冷静な解決を図ることが可能になります。

共有関係を解消する「共有物分割請求」という選択肢

どうしても話し合いがまとまらない場合の最終手段として、「共有物分割請求訴訟」を裁判所に提起する方法があります。
これは、裁判所の判断によって共有状態そのものを解消する手続きです。
この訴訟により、私道を単独所有にしたり、競売にかけて金銭で分割したりと、問題を根本的に解決することができます。
時間と費用はかかりますが、共有の呪縛から完全に解放されるための、最も強力な法的手段と言えるでしょう。

複雑な共有私道問題こそ「地域密着」の不動産会社に相談すべき理由

ここまでお読みいただき、共有私道に面した不動産の売却が、いかに専門的な知識と交渉力を要するかをご理解いただけたかと思います。
このような複雑でデリケートな案件は、どの不動産会社に相談しても同じというわけではありません。
実は、こうした「訳あり物件」こそ、全国規模の大手不動産会社よりも、「地域密着型」の不動産会社に相談するメリットが大きいのです。

なぜイエステーションは「訳あり物件」の売却に強いのか?

私たちイエステーションは、全国に214店舗(2026年1月現在)のネットワークを持つ、地域密着型の不動産売買専門のフランチャイズです。
私たちが共有私道のような複雑な案件に強い理由は、その事業モデルそのものにあります。

イエステーションの強み 共有私道問題にどう活かせるか
徹底した地域密着 学校区や町名単位でエリア担当者を配置。地域の歴史や人間関係に精通しているため、共有者の情報を把握しやすく、円滑な交渉をサポートできます。
豊富な売買仲介実績 2024年の年間売買仲介契約件数は7,423件[5]。過去の類似案件の取引事例やノウハウが蓄積されており、最適な売却戦略を立案できます。
顧客満足度No.1へのこだわり 「わからないことだらけ」の売主様の不安に寄り添い、丁寧なヒアリングと誠実な対応を徹底。複雑な権利関係も分かりやすく説明し、納得のいく売却をサポートします。
買取保証などの柔軟な対応 仲介での売却が難しい場合でも、迅速な現金化が可能な「買取保証」など、お客様の状況に応じた多様な売却方法を提案できます[6]。

共有私道の問題は、単なる法律や不動産の知識だけでは解決できません。
その地域ならではの慣習や、人と人との繋がりといった、目に見えない要素が大きく影響します。
その街を愛し、知り尽くしたイエステーションのエリア担当者だからこそ、複雑に絡み合った糸を丁寧に解きほぐし、お客様の不動産売却を成功へと導くことができるのです。

まとめ:10人共有の私道でも諦めないで!専門家と進める売却戦略

「家の前の道路の持ち主が他人で10人いる」という状況は、確かに不動産売却において大きなハードルとなります。
しかし、決して乗り越えられない壁ではありません。

この記事で解説した、売却を成功に導くための3つのステップを改めて確認しましょう。

  1. 【ステップ1:調査】 まずは法務局や役所で権利関係を徹底的に調査し、現状を正確に把握する。
  2. 【ステップ2:交渉】 調査結果に基づき、共有者全員から「通行・掘削承諾書」を書面で取得する。
  3. 【ステップ3:最終手段】 交渉が難航する場合は、弁護士などの専門家と連携し、法的な解決策も視野に入れる。

重要なのは、一人で抱え込まず、早い段階で専門家の知見を頼ることです。
特に、共有私道のような複雑な案件は、その地域に精通した不動産会社のサポートが不可欠です。

イエステーションでは、お客様の不安に寄り添い、豊富な経験と地域情報をもとに、最適な売却戦略をご提案します。
まずは、ご自身の不動産がいくらで売れるのか、そしてどのような解決策があるのかを知ることから始めてみませんか。
無料査定のご相談を、心よりお待ちしております。

 

 

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