【不動産売却】確定申告の必要書類はこれだけ!初心者向け完全ガイド&チェックリスト

2026.01.22

確定申告の必要書類はこれだけ!初心者向け完全ガイド&チェックリストのイメージ画像初めて不動産を売却された後、「確定申告」という言葉に戸惑いや不安を感じていらっしゃるかもしれません。
「何から手をつければ良いのだろう…」「書類が多くて大変そう…」と感じるのは、ごく自然なことです。
特に、普段は会社の年末調整で手続きが済んでいる方にとっては、未知の領域に感じられるでしょう。

ご安心ください。
この記事では、不動産売却後の確定申告で必要となる書類を網羅的に解説します。
書類の集め方から、申告手続きの基本的な流れまで、専門用語をできるだけ避けて分かりやすくご案内します。
この記事を最後までお読みいただければ、ご自身でスムーズに手続きを終えるための知識が身につき、自信を持って準備を進められるようになるはずです。

そもそも不動産売却で確定申告は必要?3つのケースをチェック

まず最初に、「自分の場合は確定申告が必要なのか?」という疑問を解消しましょう。
不動産を売却したからといって、すべての人が確定申告をしなければならないわけではありません。
しかし、多くの場合で申告が必要、あるいは申告した方が有利になる可能性があります。

ご自身の状況が以下のどのケースに当てはまるか、確認してみましょう。

確定申告が「必要」になる3つのケース

一般的に、不動産を売却して確定申告が必要となるのは、主に以下の3つのケースです。
一つでも当てはまる場合は、申告の準備を進める必要があります。

ケース 概要 ポイント
1. 売却で利益が出た 不動産を売った金額が、買った時の金額や売却にかかった経費を上回った場合(譲渡所得がプラスの場合)です。 この利益に対して所得税・住民税がかかるため、申告と納税の義務が生じます。
2. 特例を利用したい 「3,000万円特別控除」などの特例を使い、税金の負担を軽減したい場合です。 たとえ計算上の納税額がゼロになるとしても、特例の適用を受けるためには確定申告が必須です。
3. 売却で損失が出た 売却で損失(譲渡損失)が出た場合。その損失を給与所得など他の所得と相殺(損益通算)したい場合です。 申告をすることで、給与などから天引きされた税金が還付される可能性があります。

確定申告が「不要」なケース

一方で、確定申告が不要となるのは、比較的限定的なケースです。
具体的には、不動産を売却して利益(譲渡所得)が全く発生せず、かつ損失も出ていない場合が考えられます。

さらに、売却による損失(譲渡損失)が出たものの、他に相殺できる所得がなく、税金の還付も見込めないため特例を利用しない、という場合も申告は不要です。
ただし、有利な特例を見逃している可能性もあるため、自己判断は慎重に行うことが重要です。

【全体像】不動産売却の確定申告 必要書類チェックリスト

それでは、確定申告に必要な書類の全体像を見ていきましょう。
以下のチェックリストを参考に、ご自身に必要な書類を確認してみてください。
後の章で、各書類の詳細や入手方法を一つずつ解説していきます。

チェック 書類の種類 書類名
全員が必要な基本書類 1. 確定申告書(第一表・第二表・第三表)
2. 譲渡所得の内訳書
3. 売買契約書(購入時・売却時)の写し
4. 取得費・譲渡費用がわかる領収書など
5. 登記事項証明書
6. 本人確認書類
7. 源泉徴収票(給与所得者の場合)
特例を利用する場合の追加書類 8. 戸籍の附票、住民票の除票など(3,000万円控除など)
9. 被相続人居住用家屋等確認書など(相続空き家特例)
10. 住宅ローンの残高証明書など(譲渡損失の特例)

【基本編】全員が準備すべき必要書類7選|入手方法と重要度も解説

ここからは、チェックリストの「全員が必要な基本書類」について、一つずつ詳しく見ていきましょう。
「どこで手に入れるのか」「なぜ必要なのか」を理解することで、効率的に準備を進めることができます。
特に、紛失していると影響が大きい書類もあるため、早めに確認することをおすすめします。

① 確定申告書(第一表・第二表・第三表)

確定申告書は、税額を計算し申告するためのメインの用紙です。
第一表と第二表は所得税申告の基本セットで、収入や控除などを記入します。
そして、不動産売却の利益(譲渡所得)は他の所得と分けて税金を計算するため、専用の「第三表(分離課税用)」が必要になります。

入手先 備考
・税務署の窓口 確定申告の時期になると設置されます。
・国税庁のウェブサイト PDFをダウンロードして印刷できます。
・国税庁「確定申告書等作成コーナー」 e-Taxで申告する場合、画面の案内に沿って入力すれば自動で作成されます。

② 譲渡所得の内訳書

これは、不動産売却の確定申告における「計算明細書」のようなもので、非常に重要な書類です。
売却した不動産の詳細や、売却価格、購入価格、かかった経費などを記入し、最終的な利益(または損失)額を算出します。
税務署はこの書類を見て、税額の計算が正しく行われているかを確認します。

入手先 備考
・税務署の窓口 確定申告書とセットで入手できます。
・国税庁のウェブサイト こちらもPDFをダウンロード可能です。

③ 売買契約書(購入時・売却時)の写し

売買契約書は、「いくらで売ったか(売却価格)」と「いくらで買ったか(取得費)」を証明する、最も重要な証拠書類です。
売却時の契約書はもちろん、その不動産を過去に購入した時の契約書も必要になりますので、ご注意ください。

特に、購入時の契約書を紛失すると、取得費が不明となる場合があります。
その場合、「売却価格の5%」が概算取得費として計算されるケースがあり、本来より税額が大幅に高くなる可能性があります。
まずは契約書が手元にあるか、必ず確認しましょう。

④ 取得費・譲渡費用がわかる領収書など

税金の計算では、売却価格から「取得費」と「譲渡費用」という経費を差し引くことができます。
これらの経費が多いほど、利益が圧縮され、税金の負担が軽減される見込みがあります。
その経費を証明するために、以下のような書類の領収書や明細書を集めましょう。

  • 取得費に含まれるものの例
    • 購入時の仲介手数料
    • 登記費用(登録免許税、司法書士報酬)
    • 不動産取得税
    • 購入時の印紙税
  • 譲渡費用に含まれるものの例
    • 売却時の仲介手数料
    • 売却時の印紙税
    • 建物の解体費用
    • 測量費

⑤ 登記事項証明書

登記事項証明書は、売却した不動産の所在地や面積、所有者などの情報を公的に証明する書類です。
登記簿謄本とも呼ばれます。
この書類によって、誰がどの不動産を売却したのかを税務署が確認します。

入手先 備考
・法務局の窓口 不動産の所在地を管轄する法務局で取得できます。
・オンライン申請 「登記・供託オンライン申請システム」を利用して請求することも可能です。

⑥ 本人確認書類

確定申告の際には、申告者本人のマイナンバー(個人番号)と身元を確認するための書類が必要です。
提出方法によって異なりますが、一般的には以下のいずれかの組み合わせが求められます。

パターン 必要な書類
マイナンバーカードがある場合 マイナンバーカードのみ(表面で身元確認、裏面で番号確認)
マイナンバーカードがない場合 ・番号確認書類(通知カード、マイナンバー記載の住民票など)
・身元確認書類(運転免許証、パスポート、健康保険証など)

e-Taxで申告する場合、マイナンバーカードを使って電子署名を行えば、これらの本人確認書類の提示や提出は不要になることがあります。

⑦ 源泉徴収票(会社員の場合)

会社にお勤めの方は、不動産売却による所得(譲渡所得)と、会社からの給与所得を合算して最終的な税額を計算する必要があります。
そのため、勤務先から発行される「源泉徴収票」が必要となります。
通常、年末調整が終わった後、12月か1月頃に受け取る書類ですので、大切に保管してください。

【特例編】税金を大幅に減らせる!特例ごとの追加書類

不動産売却には、税金の負担を大きく軽減できる特例制度がいくつか用意されています。
これらの特例を利用するには、基本書類に加えて、それぞれの要件を満たしていることを証明するための追加書類が必要になります。
ご自身の状況に当てはまる特例がないか、ぜひ確認してみてください。

① マイホーム売却で使える「3,000万円特別控除」

ご自身が住んでいたマイホームを売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる、非常に効果の大きい特例です。
この特例を適用するには、売却した不動産に住んでいた事実を証明する必要があります。
そのために、以下のような書類が必要になる場合があります。

  • 追加書類の例
    • 戸籍の附票 または 住民票の除票
    • 売却した不動産の所在地が記載されているもの
    • 入手先:売却した家の所在地の市区町村役場

② 10年以上住んだマイホームなら「軽減税率の特例」

売却した年の1月1日時点で、所有期間が10年を超えるマイホームを売却した場合、税率が通常よりも低くなる特例が適用されます。
この特例は、前述の「3,000万円特別控除」とあわせて利用できる点が大きなメリットです。
この特例もマイホームが対象のため、居住の事実を証明する書類(戸籍の附票など)が必要となることがあります。

③ 相続した実家(空き家)を売却した場合の特例

親などから相続した実家が空き家になっており、一定の要件を満たして売却した場合に、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例です。
適用要件がやや複雑ですが、該当すれば大きな節税効果が期待できます。

主な適用要件(概要) 追加書類の例
・昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること 被相続人居住用家屋等確認書(市区町村役場が発行)
・相続開始から3年を経過する年の12月31日までに売却すること ・耐震基準適合証明書 または 建物滅失登記簿謄本など
・売却代金が1億円以下であること

④ 売却で損失が出た場合の「損益通算・繰越控除」

マイホームの売却で損失(譲渡損失)が出た場合、その損失を給与所得など他の黒字の所得と相殺(損益通算)できる特例があります。
これにより、給与から天引きされていた所得税が還付される可能性があります。
適用には、住宅ローンの残高があることなど、いくつかの条件があります。

  • 追加書類の例
    • 譲渡損失の金額に関する計算明細書
    • 売却したマイホームの住宅ローンの残高証明書(金融機関が発行)

書類が集まったら!確定申告書の作成から提出までの4ステップ

必要書類がひと通り揃ったら、いよいよ申告書の作成と提出です。
難しく感じるかもしれませんが、手順を分解すれば一つひとつの作業はシンプルです。
ここでは、大まかな流れを4つのステップでご紹介します。

ステップ1:譲渡所得を計算する(譲渡所得の内訳書を作成)

まず最初に行うのは、確定申告書本体ではなく、「譲渡所得の内訳書」の作成です。
集めた売買契約書や領収書を見ながら、売却価格、購入価格(取得費)、売却にかかった経費(譲渡費用)などを所定の欄に記入していきます。
この書類を完成させることで、今回の不動産売却による利益(または損失)の額が確定します。

ステップ2:確定申告書に転記する

次に、ステップ1で計算した譲渡所得の金額を、確定申告書に書き写していきます。
具体的には、「譲渡所得の内訳書」の数字を「確定申告書第三表」に転記し、そこで税額を計算します。
そして、その結果や給与所得の情報を「確定申告書第一表・第二表」に記入して、申告書全体を完成させます。

ステップ3:税務署へ提出する(3つの方法)

完成した申告書と添付書類は、売却した年の翌年2月16日から3月15日までの間に税務署へ提出します。
提出方法には、主に以下の3つがあります。

提出方法 メリット デメリット
1. 税務署窓口へ持参 職員に簡単な質問ができる。受付印のある控えをその場でもらえる。 申告期間中は非常に混雑し、長時間待つことがある。
2. 郵送 税務署に行く手間が省ける。自分のペースで提出できる。 書類に不備があってもその場で修正できない。控えの返送には切手を貼った返信用封筒が必要。
3. e-Tax(電子申告) 24時間いつでも自宅から提出可能。添付書類の一部が省略できる場合がある。還付が早い傾向にある。 利用にはマイナンバーカードや事前の設定が必要になる場合がある。

ステップ4:納税または還付を受ける

申告書を提出したら、手続きは最終段階です。
計算の結果、納税が必要な場合は、申告期限と同じ3月15日までに税金を納付します。
納付方法には、口座振替、クレジットカード、コンビニ納付などがあります。

逆に、税金を払い過ぎていた場合(還付)は、申告からおよそ1ヶ月から1ヶ月半後に、申告書に記入した指定の口座へ還付金が振り込まれます。
還付の場合は、これで一連の手続きが完了となります。

不動産売却の確定申告に関するQ&A

ここでは、多くの方が疑問に思う点や不安に感じる点をQ&A形式でまとめました。

Q1. 購入時の売買契約書を紛失しました。どうすればいいですか?

A1. まずは諦めずに、代替手段を探すことが重要です。
購入時の契約書がないと、税額が大きく増えてしまう可能性があるためです。
以下のような対応が考えられます。

  • 不動産会社への問い合わせ
    • 購入時にお世話になった不動産会社に、契約書の写しが保管されていないか問い合わせてみましょう。
  • 代替書類の収集
    • 購入時のパンフレット、登記費用の領収書、住宅ローンの契約書など、購入金額を推測できる書類を集めることで、税務署に認められるケースもあります。
  • 最終手段としての概算取得費
    • どうしても取得費が証明できない場合、「売却価格の5%」を取得費として申告することになります。
    • ただし、これは実際の購入価格より大幅に低くなることが多く、税負担が増える可能性が高い点に注意が必要です。

Q2. 確定申告は自分でできる?税理士に頼むべき?

A2. ご自身の状況によって判断が分かれます。
以下の表を参考に、ご検討ください。

自分で申告できる可能性が高いケース 税理士への相談を推奨するケース
概要 ・売却したのがマイホーム1件のみ
・購入時の契約書など書類が揃っている
・適用したい特例が「3,000万円控除」のみなど、シンプルである
・購入時の契約書がなく取得費が不明
・複数の特例の適用を検討している
・相続が絡むなど権利関係が複雑
・平日は仕事で時間が取れない
ポイント 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」は、質問に答えていくだけで申告書が作成できるため、初心者の方でも比較的利用しやすいです。 税理士に依頼すると費用(一般的に3万円〜25万円程度が目安)がかかりますが、書類作成の手間が省け、申告内容の正確性が担保されるという大きなメリットがあります。最適な節税方法を提案してもらえる可能性もあります。

Q3. 申告を忘れるとどうなりますか?

A3. 確定申告が必要であるにもかかわらず期限内に申告しなかった場合、無申告加算税や延滞税といったペナルティが課される可能性があります。
税務署の調査で申告漏れが発覚すると、本来納めるべき税金に加えて、以下のような附帯税が課されることがあります。

  • 無申告加算税
    • 期限内に申告しなかったことに対するペナルティです。
  • 延滞税
    • 法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する税金が課されます。

このため、本来よりも多くの税金を支払うことになる可能性があります。
事前に知っておくことで、期限内に正しく申告する重要性がお分かりいただけるかと思います。

まとめ

不動産売却後の確定申告は、初めての方にとっては複雑に感じられるかもしれません。
しかし、一つひとつのステップを丁寧に進めていけば、決して乗り越えられない壁ではありません。

まずは、この記事のチェックリストを参考に、ご自身の手元にある書類を確認することから始めてみましょう。
そして、どの書類が不足しているかを把握し、計画的に集めていくことが大切です。
特に、税金の負担を軽減できる特例の適用には、追加の書類が必要になるため、ご自身の状況に合うものがないか事前に確認しておくことが重要です。

もし手続きの途中で分からないことや、ご自身のケースが複雑で判断に迷うことがあれば、税務署や税理士などの専門家に相談することも有効な選択肢です。
適切な準備と手続きで、安心して確定申告を完了させましょう。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の状況に対する判断や結果を保証するものではありません。実際の不動産取引・税務・法律判断については、税理士・司法書士・弁護士などの専門家へご相談ください。

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