アパートを建築中に夫が死亡しました。相続税評価額は変わりますか

夫は相続対策の一環として、ハウスメーカーに依頼して所有している遊休地(編集部注:ゆうきゅうち。何も使用していない土地のこと)にアパートを建築中でした。


ところがアパートの完成を待たずして、亡くなってしまいました。

このようなことになった場合、建築中のアパートの相続税評価額はどのようになるのでしょうか。


建築後と同様に、相続税評価額減の恩恵を受けることは可能なのでしょうか?

公開日時 : 2018年10月12日
カテゴリー : 相続に関係すること

残念ながら、建築中のアパートはご主人様が亡くなった時点で賃貸していないことから、自用の土地・建物と同じ相続税評価額となります。アパートの建築に着手していたとしても、相続税評価額が低くなることはありません。


まず、土地については相続税が安くなる貸家建付地としての評価は適用されず、自用地評価(自宅など賃貸目的以外の評価)となります。


続いて、建物について見てみましょう。


国税庁が定める「財産評価基本通達91」によりますと、建築中の建物に関する相続税評価額は、「費用原価の70パーセント」になります。これは自宅建物と同じ評価です。それからさらにアパートのような賃貸目的の建物に対して適用される借家権割合30パーセントを差し引くことは認められていないのです。


具体的には、まずアパート建築のために要する総工費に、ご主人様がアパートの建築開始時から亡くなった時点までの工事の進み度合いを乗じます。これが「費用現価」です。この金額の70パーセントが建築中のアパートの評価価額となります。


総工費についてはご主人様がハウスメーカーなどの請負業者と契約した請負契約書で、工事の進み度合いについてはハウスメーカーから証明書などの提出を受けて、それぞれ確認する必要があります。


なお、上記で算出された費用原価と手付金や中間金など、ご主人様が既に支払った金額との間には差分があるのではないかと存じます。もし費用原価よりも支払い済みの金額の金額が多い場合は、差額相当分が前渡金としてご相談者様の相続財産に加算されます。


逆に費用原価よりも支払い済みの金額の金額が少ない場合は、差額相当分が未払金、つまり相続債務としてご相談者様の相続財産総額から差し引かれることになります。


まず、総工費を算出するためにご主人様はアパート建築に際して誰と・どのような契約を結んでいたか漏れのないようにご確認ください。場合によっては、ハウスメーカーだけでなく設計士など複数以上の先と有償契約を締結していたことも考えられます。


併せて、ご主人様からアパートの建築業務を請け負っているハウスメーカーなどに連絡して、工事の進み度合いに関する証明書の発行を依頼してください。そして、ご主人様が遺されたアパート建築に関する請負契約書や各種費用に関する領収書などについて紛失等がないか十分にご確認いただいた上で、相続手続きを進めてください。

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